格安SIM豆知識

MNOとは?

 

格安SIMを提供する事業者をMVNO、MVNOを支援する事業者をMVNE言いますが、このMVNO、MVNEと切っても切れない関係にあるのが「MNO」です。では、MNOとは一体どんなものなのでしょうか?

 

MNOとは「Mobile Network Operator」の略で、移動体通信事業者という意味です。携帯電話などの移動体通信機器で使われる通信回線網を自社で設置、運用し、独自に通信サービスを提供しています。いわゆるキャリアのことですね。

 

日本の主なMNOといえば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどが挙げられます。他にもY!mobile(ワイモバイル)がMNOにあたります。これに対し、MNOの回線網を間借りしてサービスを提供している事業者がMVNOです。分かりやすく言うと、MNOであるキャリアが消費者への小売りだけでなく、MVNOに通信サービスの卸売りをしているということです。

 

MNOは基地局建設やネットワークの構築、維持に莫大な費用をかける必要があるため、ドコモやKDDI、ソフトバンクのような巨大企業である必要があります。一方MVNOはMNOから帯域を借りるだけなので、企業規模が小さくても問題ないのです。MNVOは既に190社が参入していると言われています。

 

それだけ多くの企業がMVNOに参入できるのは、MVNEの存在があるからです。MVNEがMNOとMVNOの間に入ってノウハウを提供することで、敷居の高かった新規参入の障壁を乗り越えることができるようになったのです。

 

MNOの種類

現在MNOはNTTドコモとKDDIの2種類のみです。ワイモバイルはソフトバンク傘下の会社ではありますが、自社で回線を持っているためMNOにあたります。つまり、現在数多くある格安SIMはドコモ回線のものかau回線のもののどちらかということになります。

 

このうちほとんどがドコモ回線の格安SIMです。au回線の格安SIMは現在のところUQ mobileとmineoの2つのみです。なおmineoはドコモ回線でも利用できるマルチキャリアMVNOという少し変わったMVNOです。

 

ドコモ回線の格安SIMは選択肢が多いことと、手持ちのドコモ端末をそのまま使えるので便利なのですが、au回線の格安SIMと比べて通信速度が遅くなる傾向があります。

 

なぜドコモ回線の格安SIMばかりなの?

なぜドコモ回線の格安SIMがこんなに多いのかというと、1つは電気通信事業法で「一定のシェアを超える通信会社の禁止行為」が定められており、移動体通信事業者としてNTTドコモがその対象とされているためです。

 

その禁止行為とは以下のようなものです。

  • 他社設備との接続で知り得た他社の情報を目的外に使ったり、提供すること
  • 特定の電気通信事業者を不当に優先的な扱いをして利益を与えたり、逆に不当に不利な扱いをして不利益を与えないこと
  • 販売代理店やメーカー、コンテンツプロバイダなどに対して不当に干渉したり、縛りをかけたりすること

 

この禁止行為の2つ目の規定によって、MVNOを事業として営みたい企業からの回線貸し出し依頼があれば、特別な理由がない限り拒否できないのです。

 

また、2つ目の理由として接続料の低さが挙げられます。3社が公開しているMVNO事業者向け資料によると、KDDIとソフトバンクの回線使用料はNTTドコモの2倍以上あり、採算上からもNTTドコモが有利になってるのです。

 

ソフトバンク回線の格安SIMがないのはなぜ?

ドコモとauの回線を利用した格安SIMはあるのに、なぜソフトバンク回線の格安SIMはないのでしょうか?

 

格安SIMはドコモなどのキャリアから回線を借りることでサービスを提供しています。この回線を借りる料金はキャリアが決めています。ソフトバンクも借りるための料金を設定しているのですが、その料金はドコモやauに比べると約1.5倍高くなっています。格安SIMは薄利多売な商売であるため、回線を借りる料金が高いと格安SIMを提供するための大きな足かせとなってしまいます。

 

また、ソフトバンク傘下にはワイモバイルがあります。ワイモバイルではキャリアと比べると価格の安いサービスを提供しています。ワイモバイルに摂ってMVNOはライバルであり、ソフトバンクがMVNOを推進すると競合が増えてワイモバイルのシェアを奪われる可能性があります。そのため、ソフトバンクはMVNOにあまり乗り気ではないと言われています。

 

なお、ワイモバイルはMVNOではなく独自の回線を持っているため、ソフトバンクの端末にワイモバイルのSIMを挿し込んでも使えないので注意しましょう。

 

そうは言っても、ソフトバンクもMVNO向けの接続料金を下げてきていたり、MVNO事業を推進するという目的でSBパートナーズという格安SIMを提供する専門会社を立ち上げるといった動きも見せています。もしかしたらソフトバンクの格安SIMが出るのも時間の問題なのかもしれませんね。